USB2.0はUSB3.0接続で5Gbpsの夢を見るか

USB3.0について調べているうち、USB2.0対応機器をUSB3.0で接続することで高速化出来るかもしれないと思いました。実際に様々なUSB2.0対応機器をUSB3.0で接続し、ベンチマークを測定してみることにします。

USB2.0対応機器をUSB3.0で接続してベンチマーク測定

USB2.0対応機器をUSB3.0で接続してベンチマーク測定


USB2.0対応のSony VAIO Z(VPCZ11AGJ)にあるUSBポートでUSB2.0の速度を、ExpressCardスロットにUSB3.0増設ExpressCard BUFFALO IFC-EC2U3/UCを挿入してUSB3.0の速度を、CrystalDiskMark 3.0 64bit版で測定しています。

Transcend JetFlash 150
Transcend JetFlash 150

Transcend JetFlash 150

容量は1GBのUSBフラッシュメモリです。ファイルシステムはFAT32でフォーマットしています。3年ほど前、デジカメで撮影した写真のデータをやり取りする際に活躍していましたが、容量の小ささから今では埃をかぶっています。
Transcend JetFlash 150 測定結果の比較

Transcend JetFlash 150 測定結果の比較

シーケンシャルリード(読み込み)に関してはUSB3.0が優勢ですが、シーケンシャルライト(書き出し)やランダムアクセスにおいてUSB2.0が優勢です。
Sony PocketBit USM16GLX
Sony PocketBit USM16GLX

Sony PocketBit USM16GLX

容量16GBのUSBフラッシュメモリです。ファイルシステムはFAT32でフォーマットしています。最大読み込み30MB/秒が特徴です。
Sony PocketBit USM16GLX 測定結果の比較

Sony PocketBit USM16GLX 測定結果の比較

全体的にUSB3.0が優勢です。シーケンシャルアクセスにおいては1.1倍程度、4KBと4KB QD32のランダムリードでは、USB2.0と比べてUSB3.0が約1.68倍も速度が向上しています。
BUFFALO SHD-UHR64GS
BUFFALO SHD-UHR64GS

BUFFALO SHD-UHR64GS

容量64GBのSLC/MLCハイブリッドシリコンディスクです。ファイルシステムはFAT32です。この中で最も購入時の価格が高いUSB接続のストレージとなります。
BUFFALO SHD-UHR64GS 測定結果の比較

BUFFALO SHD-UHR64GS 測定結果の比較

シーケンシャルアクセス、ランダムアクセスともに、全ての数値において、USB3.0が優勢となりました。さすが、SLCを採用されたSSDということでしょうか。
Samsung Galaxy Tab
Samsung Galaxy Tab

Samsung Galaxy Tab

容量16GBのフラッシュメモリを搭載しているDocomo監修のSamsung Galaxy Tabです。過去に実施したベンチマークから、内部でファイル転送の最適化処理が行われていると思われます。
Samsung Galaxy Tab 測定結果の比較(100MB)

Samsung Galaxy Tab 測定結果の比較(100MB)

Read(読み込み)に関しては、USB3.0よりもUSB2.0が劣り、Write(書き出し)に関しては、USB3.0がUSB2.0に勝るという結果になりました。
Samsung Galaxy Tab 測定結果の比較(1GB)

Samsung Galaxy Tab 測定結果の比較(1GB)

測定サイズ1GBの場合、USB3.0とUSB2.0が同じような結果となりましたが、USB3.0のほうが全体的に劣っているといえます。
・Apple iPod nano 第4世代
Apple iPod nano 第4世代

Apple iPod nano 第4世代

容量8GBのiPod nano 第4世代です。ファイルシステムはFAT32でした。2008年09月に発売されていますので、2011年の現在から考えると、もう3年近くも過去のことになります。月日が流れるのは早いものです。
Apple iPod nano 第4世代 測定結果の比較

Apple iPod nano 第4世代 測定結果の比較

4KB、4KB QD32のランダムリードでUSB3.0が優勢となっていますが、全体的に見てみると、USB2.0とUSB3.0でほぼ同じ結果となりました。
iPod用のOSであるiOSに関わることなのか、第4世代のフラッシュメモリの仕様なのか分かりませんが、良い書き方をすれば、USB2.0で実力を出し切っています。
・Apple iPod nano 第6世代
Apple iPod nano 第6世代

Apple iPod nano 第6世代

容量16GBのiPod nano 第6世代です。スピーカー、カメラ、マイク、ビデオ再生機能が廃止さたのに、前機種と本体価格がほぼ同じというミュージックプレーヤーです。
Apple iPod nano 第6世代 測定結果の比較

Apple iPod nano 第6世代 測定結果の比較

シーケンシャルライトにおいて、USB3.0がUSB2.0に40%近くも劣るという結果となりました。iPod nano 第6世代はUSB3.0と相性が悪いようです。
iPod nano専用のOSに問題があるのか、第6世代のフラッシュメモリの仕様なのか分かりませんが、良い書き方をすれば、USB2.0にのみ最適化されています。
・Apple iPod classic 第6.5世代
Apple iPod classic 第6.5世代

Apple iPod classic 第6.5世代

容量160GBのiPod classic 第6.5世代です。フラッシュメモリを搭載しているiPod nanoとは異なり、1.8インチのハードディスクドライブを搭載しています。2010年09月の価格改定後に購入したモデルです。
Apple iPod classic 第6.5世代 測定結果の比較

Apple iPod classic 第6.5世代 測定結果の比較

中身がHDDだけあってUSB3.0が圧倒的に優勢となりました。USB2.0のインターフェースがネックとなり、速度が低下する要因となっていることが分かります。
I-O DATA HDPS-U500
I-O DATA HDPS-U500

I-O DATA HDPS-U500

容量500GBのUSB2.0対応ポータブルHDDです。ファイルシステムはNTFSでフォーマットしています。データの持ち運びで使っていましたが、一部に不良クラスタが発生したため、現在は使っていません。
I-O DATA HDPS-U500 測定結果の比較

I-O DATA HDPS-U500 測定結果の比較

中身は2.5インチのSATA HDDであるため、USB3.0にすることで、USB2.0のインターフェース側のネックが解消され、シーケンシャルアクセスにおいては約1.3倍ほど高速な転送速度になっています。
BUFFALO HD-PX500U2
BUFFALO HD-PX500U2

BUFFALO HD-PX500U2

容量500GBのUSB2.0対応ポータブルHDDです。ファイルシステムはNTFSでフォーマットしています。AES256bitのハードウェア自動暗号化を搭載しています。

BUFFALO HD-PX500U2 測定結果の比較(100MB)

BUFFALO HD-PX500U2 測定結果の比較(100MB)


BUFFALO HD-PX500U2 測定結果の比較(1GB)

BUFFALO HD-PX500U2 測定結果の比較(1GB)

I-O DATA HDPS-U500同様、中身は2.5インチのSATA HDDであるため、USB3.0に接続することで、シーケンシャルライトが約1.45倍も高速化されています。自動暗号化はあまり速度に影響ないようです。
・BUFFALO HD-PX500U2 TurboPC有効
BUFFALO TurboPC

BUFFALO TurboPC

TurboPCというユーティリティを使い、BUFFALO独自の高速化ドライバを有効にした場合の転送速度の比較です。最適化された転送処理がさらに向上するのか期待されます。

BUFFALO HD-PX500U2 TurboPC有効 測定結果の比較(100MB)

BUFFALO HD-PX500U2 TurboPC有効 測定結果の比較(100MB)


BUFFALO HD-PX500U2 TurboPC有効 測定結果の比較(1GB)

BUFFALO HD-PX500U2 TurboPC有効 測定結果の比較(1GB)

TurboPC無効な状態よりも、転送速度は全体的に向上しています。USB3.0に接続してもTurboPCは有効であることが確認出来ました。

これらのベンチマーク測定結果を見ると、USB2.0対応機器をUSB3.0で接続した場合、USB3.0の接続が必ずしも速いわけではないことが分かりました。

SSD以外のフラッシュメモリにおいて、USB3.0で速度が低下することもあります。この場合の低下率は大きく、体感出来てしまうほどだと思います。Read(読み込み)が高速化してもWrite(書き出し)が低速になってしまうのは、IFC-EC2U3/UCで使われているUSB3.0ホストコントローラμPD720200の特性である可能性も考えられます。

SSDに限って言えば、ランダムリードの速度向上率は2倍に迫る勢いです。ただし、検証対象がSLCとMLCハイブリッドであるためで、MLCのSSDであればここまでの向上は難しいかもしれません。

HDDに関してはUSB3.0で接続することで最大1.3倍もの速度向上が見られました。HDDの持つ転送能力は、USBインターフェースによって低下しているため、USB3.0で接続することで多少なりともボトルネックが解消されるようです。

結論、USB2.0対応のフラッシュメモリはUSB2.0で接続したほうが安定し、USB2.0対応のSSDとHDDはUSB3.0で接続したほうが速度が向上するということになると思います。

2 Responses to “USB2.0はUSB3.0接続で5Gbpsの夢を見るか”

  • TOFU:

    非常に興味深い、参考となるデータでした。
    USB3.0インターフェースは高速通信用スーパースピード(4.8Gbps)の信号線(SSTX/SSRX)とUSB2.0の信号線(D+/D-)を持っていて、UBS2.0機器は従来どおりの480Mbps通信でも、ベンチマークに違いが出るという結果のようです。
    USBインターフェースの通信速度は同じでコントローラとそのコントロールバスが違うと、このように見えるのですね。

    ただ、気になるが2点。
    1. Express Cardの場合、PCI ExpressはGen1 (2.5Gbps)で本体PCと接続されます。
    USB3.0 xHCIコントローラは確か、PCI Express Gen2 (5Gbps)で本来の能力を
     発揮します。つまり、PC側からこのカードがコントロールされるスピードが半分になっています。この点について考慮された実験でしょうか。

    2. USB3.0ホストコントローラドライバのバージョンに依存はないでしょうか。

    • tio:

      当初は単なる興味で試しただけだったんですが、複数機器を試した結果、ブログにアップしようと思い立ちました。楽しんで頂けて良かったです。気になる2点について返信します。

      (1)についての考慮はしていません。Sony VAIO Z(VPCZ11AGJ)の製品仕様で記載がないため、Gen.1(Revision 1.0/1.1?)の可能性が高いと思いますが、不明です。Generation 1であれば、スロット(PC)側が5Gbps対応の場合においては、1.2~1.3倍程度の速度向上があるかもしれません。

      (2)については、BUFFALO製品であるため、よりチューンナップされている他メーカーのμPD720200用ドライバであれば、多少の速度向上はあるかもしれません。他メーカーを試せないため、曖昧ですいません。

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