トリチウムキーホルダーという存在
トリチウムキーホルダーを愛用していました。放射性物質の1つであるトリチウム(三重水素)ガスがβ崩壊する際に放射されるβ線を、トリチウムの半減期である約12.33年の間、蛍光塗料を利用して、自発光するキーホルダーです。
トリチウムガスは放射性物質の中でも、食品用ラップも通過出来ないほどエネルギーの低いβ線を放射するため、人体への影響は非常に少ないとされています。電原や蓄光が不要で発光する利点を生かして、方位磁石、腕時計、銃の照準器などに使われています。

トリチウムを利用した発光キーホールダー
なお、トリチウムは放射性物質となるので、放射線障害防止法が適用され、1GBq(ギガベクレル)を超える場合、同法に基づき個人、法人問わず文部科学大臣に届け出が必要となります。このページに記載されている内容について、一切の責任は持ちません。
2008年07月、トリチウムキーホルダーを無許可で販売していた業者が同法違反で逮捕された影響もあり、2011年04月現在、調査する限り、日本国内においてネット上でトリチウムキーホルダーを販売する店はありません。
Yahoo!オークションなどでまれに出品されていることがあります。しかし、レア、貴重といった謳い文句を背負って、同一の製品が過去の5~10倍近くの価格でやり取りされていますので、海外経由で購入したほうが、安く入手出来ます。
比較的容易に入手可能なトリチウムキーホルダーは、Betalight Kit MarkerとNITE GlowRingです。Betalight Kit Markerは香港の通販サイトDealExtremeで、Nite GlowRingは、販売元Nite International Ltd.が運営するNiteGlowRings.comで購入可能です。
- ・Betalight Kit Marker
- 発光色は、青、緑、白、紫、オレンジ、ピンクの計6色が用意され、miniサイズ、1.1inchi(約2.7cm)、1.5inchi(3.81cm)の計3サイズから選べます。
- miniサイズは$9.27とお手軽な価格です。発光量は非常に僅かで、お勧めは出来ませんが、唯一、放射線障害防止法を守れるサイズです。まともに発光を認識出来る1.1inchiは$22.52と割高です。DealExtremeで購入した場合、郵便を選択すれば、送料は無料です。
- 経験上、DealExtremeは、外見が同じで内容が異なるもの、例えば同一サイズの異なる発光色を同時に複数オーダーすると高い確率で品物を間違えるので、要注意です。
- ・Nite GlowRing
- 発光色は、Vibrant Green(緑)、Ice Blue(青)、Neon Pink(ピンク)の計3種類があり、約4.7cm程度の長さのみ用意されています。
- £9.99(英ポンド/約1,331円)で、複数購入するとディスカウントが受けられ、最大で£7.99(約1,067円)にまで割り引かれます。個数にかかわらず、£2.50(約333円)の送料が発生します。

Betalight Kit Marker

Nite GlowRing
ちなみに、ネット上を探せば、8色から選べる上にキーホールダー内部に任意の文字を書いてくれる有償サービス付きのNITE GlowRingの改造品(£9~)や、トリチウムを大量に使った置物($280~)なども売られています。掲示板経由の個人売買なので、お勧めはしませんが、試してみる価値はあるかもしれません。
NiteGlowRings.comが出来る前は、米国オークションサイトeBayで、eBay UK経由から販売されているNite GlowRingを購入したことがあります。1つ£12(約1,630円)程度する上、£9程度の送料が個数単位でかかることが多いので、NiteGlowRings.comで購入したほうが断然安いです。
NiteGlowRings.comは、2009年頃から販売を開始していたようですが、つい最近、このサイトの存在を知りました。Betalight Kit Markerよりも安価なNite GlowRingを、NiteGlowRings.comから購入してみようと思います。
ブラウザでNiteGlowRings.comにアクセスした後、”Order your GlowRing today”という青いバーから、オーダーページへ移動します。
欲しい色と個数を選択し、名前、メールアドレス、電話番号、住所、郵便版を入力します。海外サイトとなるので、全て英語表記にした上で、住所には”JAPAN”の表記が必須です。電話番号は、市外局番の”0″をとり、”+81.”を追記します。

商品選択と情報入力ページ
必要事項を記入した後、”Go to secure server”という青いバーをクリックすると、[vault1.secured-url.com]へ移動し、クレジットカード情報を入力するページへ移動します。

クレジットカード決済ページ
[niteglowrings.com]は、4DHostingにて稼働しているようで、[vault1.secured-url.com]は、4DHostingが提供する共有SSL(Shared SSL)用のドメイン名のようです。
クレジットカード番号を始めとするクレジットカード情報を入力します。Cardholder Address(カード保持者の登録住所)も英語での表記が必要です。Start Dataという入力欄がありますが、クレジットカードを取得した年月日を入力しました。
入力後、”Process Payment”をクリックすると、NiteGlowRings.comのページに戻ります。同時に記入したメールアドレス宛てに<***@niteglowrings.com>から受注確認のメールが届いていますので、内容を確認して下さい。

オーダー完了ページ
今回、2011年03月22日19時(日本時間)にオーダーを行いました。受注確認メール以外、NiteGlowRings.comからの連絡は一切ありませんでしたが、23日(現地時間)には発送されたようで、30日15時(日本時間)に、Royal Mailで無事に到着しました。
恭しくRoyal Mailを開封すると、レシートと、プラスチックのケースに入ったNite GlowRingが6本出てきました。

到着した6本のNite GlowRing
一切の光が入らないように部屋を暗くした状態で、発光具合を確認してみます。Nite GlowRingは決して明るくはありません。少しでも他に光があると、人の目ではNite GlowRingの光を確認することが出来ないほどです。

Nite GlowRingの光具合・全色
Vibrant Green(緑)、Ice Blue(青)、Neon Pink(ピンク)がありますが、Vibrant Green(緑)が最も明るく、少し差が開いてIce Blue(青)、Neon Pink(ピンク)は暗いです。実用性を考えれば、Vibrant Green(緑)をお勧めします。
写真では、Neon Pink(ピンク)が赤くみえますが、実際はもっとショッキングピンクに近い色です。左にある小さいトリチウムキーホールダーは、Betalight Kit Markerのminiサイズです。

トリチウムキーホールダーの発光具合
腕時計の針にあるN夜光(ルミノーバ)に十分に蓄光させた状態と比較してみます。ルミノーバが青っぽい緑色の光に対して、Nite GlowRingは、メタリックな黄緑色に見えます。ルミノーバは時間の経過と共に暗くなりますが、Nite GlowRingは明るさを維持します。

トリチウムとルミノバの比較
携帯電話や鍵に付けると、暗い中でもすぐに置いてある場所が分かって重宝します。懐中電灯に取り付ければ災害時や停電時に役に立ちます。
蛇足ですが、一昨年、米国に行った際、携帯電話にNite GlowRingをつけたまま飛行機に乗りましたが、特に咎められることもありませんでした。X線でトリチウムを見れば真っ白な気がするのですが、問題ないようです。
色々と便利ではありますが、Nite GlowRingは、放射性物質を使っていますので、法律を遵守する必要があります。破棄も放射線取扱主任者の国家資格が必要となるため、安易に捨ててはいけません。今回のNite GlowRingは英国に住む友人へ送りました。
また、海外からの購入を検討されている方は、繰り返しになりますが、法律を遵守した上で、自己責任にてお願いします。
GlowRing の色の違いはどこからくるのでしょうか?
トリチウムキーホールダーの色の違いは、内部に塗られている蛍光塗料の違いです。
トリチウムガスは、β線を放射していますが、β線は目に見えません。内部に塗られている蛍光塗料に反射させることで、可視光線(目に見える光)になります。
つまり、蛍光塗料の色を変えることによって、見える光の色の違いが出てきます。
トリチウムガスが抜けたり、半減期を大幅に超えた場合、β線が放射されなくなりますので、自発光できず、蛍光塗料が塗られているだけのキーホールダーになります。