postheadericon 絶対に絡まないヘッドフォンコードの開発に成功。

01月27日、独Ultrazoneは絡まないヘッドフォンコードの開発に成功したと伝えた。コードを覆う薄い金属膜に磁力を発生させ、反発力によってコードが絡み合う前に接触そのものを防ぐことが出来るという。

絶対に絡まないコード。磁力によって互いに接触しない。

絶対に絡まないコード。磁力によって互いに接触しない。


「ヘッドフォンやイヤフォンを鞄やポケットにしまうということはよくあることだろう。鞄の中にあるコードはまるで意志を持っているかのように複雑に絡み合い、解くことを困難にさせる。このストレスは、社会にとって多大な損害に繋がっていることが容易に推測出来る」(広報担当 アルバート・ローゼンバーグ氏)

絡まったコードを元に戻すために莫大な労力を消費することは、誰もが経験のあることだと思う。一般的に販売されているコードはゴム材質のために滑りにくく、これも解くことを困難にしている一つの要因だ。コードの先にはリモコンやヘッドフォン部分があるため、さらに取り外しにくい環境を作り出している。

「我々はこの問題を一刻も早く、そして確実に解決する必要があった。コードの周りに布を巻いたり、高弾性や柔軟性を持たせた絡みにくいコードを採用した例があったが、どれも絡まないわけではない。絶対に絡まないコードが条件であった」(同氏)

コードには磁力を制御する特殊な処理が施されており、磁場を反転させることが出来るという。N極とN極同士であればお互いに反発しあい、接触することがない。これが絡まないコードの基本的な原理だ。しかし、N極とS極であれば逆にくっついてしまう。この最大の疑問点に同氏は答えてくれた。

「有機分子や金属イオンを分子レベルで人工的に配列した特殊な磁石がコードを覆っている。この磁石は光学特性を兼ね備えた強磁性体であり、金属間の電子スピンが平行になる相互作用と反平行になる相互作用が共存するフェロ-フェリ混合磁性を実現している。光を照らすことでフェロ部分の磁化が減少することにより、磁極が反転するという現象が発生する」(同氏)

絶対に絡まないコードの内部構造

絶対に絡まないコードの内部構造

量子力学などの知識が必要となることから詳しい説明は省くが、簡潔に説明すると、光を当てることでN極とS極が反転するということだ。光ファイバーのように光を通す性質の持つコードを採用したことによって、コード内部に光を当てることが可能な状態である。N極とS極が近づく瞬間に磁極反転させることで、常に反発しあうという状態を維持することが出来るという。

「現時点で2つの欠点が分かっている。これは先に伝えた磁極反転処理のため、絡まないコードは従来のコードと比べると非常に太く重い。コードよりもケーブルという表現が適しているほどだ。また、絡まないコードを使用するためには、ヘッドフォンやイヤフォンを接続する機器から常に電流を得る必要がある。つまり、このコードにプレーヤーが対応していることが必要となる」と同氏は語る。

絶対に絡まないコード(上)と従来のコード(下)

絶対に絡まないコード(上)と従来のコード(下)

現在の所、ヘッドフォン部分よりコードのコストが非常に高くついてしまい、一部の高級機材でのみの採用になると予想される。しかし、「量産出来ればこの問題はなくなる」と同氏は伝える。近い将来、ヘッドフォンを鞄に入れていても絡んだコードを解くことなく、音楽を楽しめるという社会が待っているのだろうか。

余談となるが、帰り際にエレベータにてipodを取り出した同氏はワイヤレスヘッドフォンを使っていた。指摘すると「そもそもコードが必要ないという技術はそれはそれで素晴らしいのだ」と言い残し帰っていった。

2005年08月28日 公開
2010年08月03日 記事内日付変更(08月28日->01月27日)

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