操作はシンプルだが機能は充実した携帯電話を発表。
シンプルな携帯電話を目指すヅーカーセルラー東北は、12月19日、ヅーカーTとヅーカーS119を発表した。高齢者世代にターゲットを絞ったシンプルケータイ ヅーカーSの次バージョンになるという。

シンプルケータイ ヅーカーT
「ヅーカーSの爆発的な人気は、我々の予想を良い意味で裏切った。単純で使いやすい携帯電話が市場で求められていることを実感できた。また、ヅーカーSでは、他の携帯電話に比べて様々の要望や意見も聞けている。貴重な声を元にして生まれた端末が、このヅーカーTとヅーカーS119だ」(ヅーカーセルラー東北グループ商品統括部 商品企画グループ 上杉達也氏)
おばあちゃんの原宿といわれる巣鴨に行けば、猫も杓子も男も女も老いも若きもみんながヅーカーSを使っている。「簡単で使いやすい」(古谷ぬゑ子さん/72歳)という意見が大多数を占める一方で、「格好が悪い」(津田トミ代さん/65歳)という意見も多く聞こえた。
今回発表されたヅーカーTの特徴は、ヅーカーSと同様にシンプルケータイとなる。通話のみでメールやインターネットには対応していない。ヅーカーSとの大きな違いはそのユニークなデザインだ。「使い慣れた電話機が携帯電話になれば、違和感なく使うことができだろう」と同氏は語る。
「ヅーカーTは、Automatic Electric社が1940年代に発表したModel83という電話機のデザインをベースにしている。電話機本体をベルトに引っかけ、通話は受話器のみを使うという斬新的なスタイルを想定している。レトロな外見は若者にも受けるかもしれない」(同氏)
対してヅーカーS119は、ヅーカーSをさらにシンプルにした携帯電話だ。通話/切/電源の3つのボタンしか存在しない。また、ヅーカーSのアンテナも今回は取り外されている。外見は非常にシンプルだが、ヅーカーS119は「従来の携帯電話にはない素晴らしい機能を備えている」と同氏はいう。

シンプルケータイ ヅーカーS119
「ヅーカーS119は1つの通話ボタンから全てが始まる。通話ボタンを押すとヅーカー電話対応窓口のオペレーターへと繋がる。オペレーターに電話番号や住所、名前を伝えることで電話番号を検索し、通話したい相手に繋がるという仕組みだ。10桁もの電話番号を持ち歩いたり覚える必要はもうない」(同氏)
ヅーカーSの弱点の1つに電話帳の機能がないことが挙げられる。「当初は紙の電話帳を携帯電話につけることも考えたが、もっと本格的なシンプルケータイを目指そうという意見が多かった。結果的に人が対応して代行で電話をするというアイディアが生まれた」と同氏は伝える。
通話ボタンが押されたにも関わらず応答がない場合には、自動的に折り返して電話される。3分間呼び出しでも電話に出ないと、携帯電話の場所を割り当てた上で、ヅーカー電話対応窓口から救急通報が行われるという機能を備えている。
「緊急の際は通話ボタンを押し、しばらく放置することによって救急車を呼ぶ。緊急連絡専用の電話としてもいいかもしれない。この機能は、ヅーカーS119の対象ユーザが高齢者世代であるがための必要な機能だと思っている」(同氏)
従来の携帯電話との違いはこれだけではない。孤独なお年寄りを助けるサービスも予定している。雑談が得意で聞き上手なオペレーター(コミュニケーター)を相手に自由に会話を楽しめるという。暇なときや誰かに話を聞いて欲しい時、愚痴をこぼしたい時にヅーカーS119は役に立つだろう。「オプションサービスで多少金額は高くなるかもしれないが、ニーズは高いと思っている」(同氏)
同社はの目指す携帯電話は「誰にでも簡単に気軽に使えて、楽しめる電話機」(同氏)だ。使用者の要望を最大限に取り入れていくという同社だが、ヅーカーTとヅーカーS119の反響が気になる。
2005年02月18日 公開
2010年08月03日 記事内日付変更(02月18日->12月19日)