液晶部分が分離するデジタルカメラの開発を発表。
Pen+axは究極のフリースタイルデジタルカメラ0p+io Fの開発を明らかにした。デジタルカメラで初めてBluetoothを採用し、レンズ部分が含まれるカメラ本体と液晶部分の完全分離が可能だという。

0p+io Fの表と裏の写真
「我々はカメラレンズ部分が回転するデジカメ(0p+io X)を発売したことがある。レンズ部分と液晶部分が回転軸により繋がっており、従来では難しかったアングルが極めて簡単に撮影することが出来た。しかしこれはもう過去の話だ。我々はより自由な空間へと手を伸ばし、本当の意味でのフリースタイルを掴むことに成功した」(イメージングシステム事業本部開発センター第百三十五開発設計部室長 野町博氏)
0p+io Fは、かつて回転軸によって束縛されていた液晶部分を完全に取り外すことが可能だ。レンズで捕らえられた映像は、Bluetoothによって分離された液晶に表示される。無線通信距離は最大約10メートル。Bluetoothの特徴である暗号化と認証機能を使い、レンズ部と液晶部間の通信におけるセキュリティは万全だ。

カメラ本体と液晶部分を分離した状態
「我々が今まで培ってきた小型化の技術を最大限に生かすことで、このサイズで2つのバッテリとBluetoothを搭載するスペースを確保出来た。独自技術のスライディングレンズシステムを採用した光学3倍ズームを搭載し、専用バッテリではなく入手し易い単三電池に対応している」(同氏)
カメラ本体に単三電池が2本、液晶部分にも同じく単三電池が2本入る。合計4本の単三電池となるが、液晶部分を切り離さなければ、どちらかにある2本だけで使用することが可能だ。リチウム電池を4本装備した状態では約1000枚というバッテリ寿命(CIPA規格に準じた測定結果)を誇る。「液晶を切り離して使った場合の測定は行っていないが、Bluetoothの消費電力を考えても700枚程度を予想している」と同氏は説明する。
「バッテリ寿命の長さは、1.8型TFTカラーLCDを採用したことが大きな理由となっている。最近のコンパクトデジタルカメラは2.0型/2.5型が主流だが、果たしてユーザは大きな液晶を求めているのだろうか。恐らく多くのユーザが液晶の大きさよりも使用可能時間を重視するだろう。2.0型や2.5型と1.8型を比べると、液晶の中途半端な大型化は無駄にバッテリを消費するだけだと我々は思っている」(同氏)
また、「ツーショット撮影や自分撮りとしても最適だ」と同氏は語る。自分撮りモードを設定することによってレンズ周辺にある白色LEDが点灯する。他のデジカメには見られないほどの美しい写りを体験することが可能だ。液晶部分には露出計の機能があり、その情報はカメラ部分に送られ自動的に露出を修正する。
「デジカメの本質はあくまでもカメラだが、デジタルという強みが加わっている。今回の0p+io Fによりレンズ部分の分離に成功したことでさらに自由な世界が広がった。技術が発展すれば、ラジコンのヘリコプターにデジカメを付けて上空からの撮影も簡単に出来る時代も来るだろう。今後もより素晴らしいデジカメを発表していく予定だ」(同氏)
様々なメーカーから色々なコンパクトデジタルカメラが発売されてるが、いまいちインパクトに欠ける。同じような画素数で同じような機能を持ち、どれも特徴が変わらない。携帯電話にもカメラ搭載は当たり前の時代となり、デジカメの市場は飽和状態にあるのかもしれない。その中で同社はユニークなデジカメを発売することに意欲的だ。同社の行く末を期待したい。
2004年12月17日 公開