新型携帯ゲーム機の発表。携帯ゲーム機市場に波乱の予感。
12月16日、株式会社セカは新型携帯ゲーム機となるSSS(セカ・サターン・スモール)の開発を発表した。SSSは5GB(ギガバイト)のハードディスクを内蔵し、ゲームソフトはもちろん、高品位の動画や音楽を楽しめる全く新しい携帯型ゲーム機だという。

SSS(セカ・サターン・スモール)
現在、携帯ゲーム機の市場は、老舗ともいえる任天堂株式会社(NintendoDS)と、PSPで携帯ゲーム市場に参入したSCEI(株式会社ソニーコンピュータエンタテインメント)が握っている。白熱の市場争いを繰り広げる携帯ゲーム機市場に対して、セカが殴り込みをかけた形となった。
携帯ゲーム機に初のカラー液晶を搭載したGAME GEAR(1990年発売)がセガ唯一の携帯ゲーム機だ。セカサターンの後継機として期待されたドリームキャストに失敗して以来、家庭用ゲーム機にも手を出していない。しかも、現在では業務用ゲーム機に主に力を入れている。
「NintendoDSやPSPを見ていると、我々にもあった熱い時代を思い出した。我々でなければ作れない携帯ゲーム機を世間にみせてやろうと、あの懐かしい栄光の時代を取り戻そうと立ち上がった」とモバイル研究開発部トリプルSチーム責任者 世形三四郎氏は開発の理由を説明する。
2画面のタッチパネルを持つNintendoDS、PS2に匹敵する高度な画像処理能力を持つPSPに対抗して、SSSは5GBのハードディスクを内蔵していることが大きな特徴だ。今でもその使いやすさには定評があるセカサターンのコントローラパッドをベースとして、3インチ液晶画面を持つ。
「携帯ゲーム機にとって、見やすくて大きな液晶画面は常識だろう。IEEE802.11もあって当たり前。MP3やWMAなどを再生出来るデジタルビデオプレーヤも欠かせない機能だ。SSS内蔵のハードディスクにゲームやソフトウェアをインストールして使うため、従来のカセットやCDという概念が存在しない。まったく新しい携帯ゲーム機になるだろう」(同氏)
提供されるメディアは一般的に普及しているSDメモリカードを予定し、LANやインターネット経由でもゲームを始めとする様々なソフトウェアをインストールすることが可能だという。また、簡易的なNASサーバ的な使い方も想定していると教えてくれた。
「採用したOSがLinux系とは口が裂けても伝えることが出来ない。ましてや内部ではXMMSが動作していることも絶対に言えない。KDEが動作しOpenOfficeの動作が確認出来てしまったので、こっそりと小型キーボードをオプションで発売する予定は社内の極秘情報だ」と同氏はうっかり口を滑らす。
現時点では発売予定価格も決まっておらず、発売予定のゲームタイトルも現時点では未公開だ。しかし「仕様などが正式に決まり次第、SSSの全てを伝えていく」と同氏は鼻息荒く語った。セカは昔からの根強いファンを持っている。彼らの力を借り、セカの新しい熱い時代が始まるのだろうか。
2005年02月12日 公開
2010年08月03日 記事内日付変更(02月11日->12月16日)