世界で一番セキュアなドアを開発。でもやっり窓には弱い。
米Miorosoftは、同社のコンセプトである統合的革新(Integrated Innovation)の1つとなるGatesプロジェクトを明らかにした。ホームセキュリティの一環として進めていたプロジェクトだという。同時に同プロジェクト初の製品となるMiorosoft GatesXP Houseを発表した。

Gatesプロジェクト初の製品となるMiorosoft GatesXP House
「我々の考えているセキュリティはコンピュータに限ることではない。実生活を脅かす数々の犯罪を防ぐこともセキュリティだと考えている。Gatesプロジェクトの1つの成果として、ここに最高のセキュリティを持つドアが生み出された。この完全にセキュアなドアを我々はGatesと呼ぶ」とMiorosoft社Home Security部門責任者であるバグハ・ショウ氏は話す。
初の製品として発売される予定のMiorosoft Gates Houseに従来の鍵は存在しない。「ドアの鍵は最大のセキュリティホールである。鍵穴(keyhole)、覗き穴(Peephole)を始めとして、このドアには穴(hole)は一切ない。セキュリティホールも含めてだ」と同氏は語る。
Gatesはバイオメトリックス認証(Biometrics Authentication)を採用している。バイオメトリックス認証とは身体的特徴によって本人確認を行なう認証方式のことだ。つまり、Gatesを開けるための鍵とは、使用者本人の体となる。
バイオメトリックス認証として頻繁に使用されている種類としては人相(Face Recognition)、虹彩(Retinal Scanner Recognition)、網膜パターン(Iris Scanning)、指紋/指関節(Finger Geometry)、掌紋(Palm Print)、静脈分布(Blood Vessel Pattern)、耳形(Ear Print Identification)、声音(Speaker Verification)、動的署名照合(Dynamic Signature Verification)などがある。Gatesではこの他に、身長(Height)、体重(Weight)、体温(Temperature)など、玄関に立つことによって得る様々なバイオメトリクスを参照する。
「もちろん全ての情報を使うわけでない。得た情報に対して、我々の厳密な調査による独自の閾値を設定してある。これらの情報を効率的に使用するこによってType2(他人の認証要求を誤って受け入れること)はあり得ない」(同氏)
ドアの前に立って掌をかざし、耳をあて、指先でサインを書く。場合によっては玄関の前に立つだけで、Gatesは認証を行い、ドアを開ける。Miorosoftにて公開されている情報では、FAR(False Acceptance Rate)は0.000%、本人を拒否する確率(FRR/False Rejection Rate)は0.001%だ。認識率は非常に高い。
「我々の解決しなければならない問題点は3つある。1つは認証時間である。現在の技術では認証完了までに20分程度必要だ。トイレに間に合わない時、見たいテレビの時間が迫っている時などの20分は非常に長時間だと認識している。別な問題としてシステムの巨大化がある。GatesXP Houseを維持するためにWindowsXP Homeを搭載し、また、情報維持のために40GBのハードディスクドライブを搭載した。GatesXP Houseの内部システムでは、一般家庭で使用するPC以上のスペックを持つコンピュータが動作している。高価なドアとなるが、金銭よりもセキュリティを重視した」(同氏)
そして「最後の問題としては、もっともGates自体の問題ではないが、窓からの侵入に対してはまったく無防備であることだ。複数の窓にあるセキュリティホールに対してGatesだけでは手も足もでない」と同氏は締めくくった。
窓のセキュリティが甘いのは同社の仕様ということだろうが、自分の家に入るために20分間も玄関の前に立っていなければならないことも仕様なのだろうか。念のために断っておくが、ホームセキュリティのプロジェクトであって、銀行の金庫やデータセンターなどの特殊用途ではない。玄関のドアに大金をかける人間は、同社の会長以外にいるのだろうか。
2005年10月07日 公開