postheadericon 金庫の未来を覗いてみる。KINKOX 2026 in Japan特集。

12月07日、”Future of Safebox 2026 in Japan”が東京ビックサイトで開催された。”金庫の未来”と題されたこの会場では様々な金庫が出品されたが、今回は特に注目を集めたユニークな金庫を紹介しようと思う。

会場となった東京ビックサイト

会場となった東京ビックサイト


一般的にKINKOX(キンコックス)と呼ばれているFuture of Safeboxは、今回で3回目を迎える世界最大の金庫発表展だ。主催のCSA(全米金庫協会)の公式情報によると、実に54社もの金庫メーカーがこの会場に出展している。1社につき平均5つの金庫を展示しているため、計算上ではこの会場に300個ほどの金庫がひしめいていることになる。

様々な趣向を凝らした数ある金庫の中で、特に注目された金庫が日本守銭機械から展示されたインテリジェント金庫だ。インテリジェント(intelligent)とは”情報処理能力を持った”などの意味を持ち、最近は白色家電で流行している言葉だが、ついに金庫にまでも影響が及んだ。

インテリジェント金庫。外見はただの黒い箱だ。

インテリジェント金庫。外見はただの黒い箱だ。

「金庫を金庫と見せない。これが金庫に残された未来だと思います。特にインテリジェント金庫は外見からはただの黒い箱にしか見えません。この金庫は静脈パターン認証システムと音声認識で扉を開けます。従来のような鍵やダイアル、暗証番号は一切必要ありません」と日本守銭機械の担当者は胸を張る。

GPSの機能がついた金庫も存在するが「金庫が金庫らしくなければ、盗まれることもない」と同社は説明する。同社からはこのインテリジェント金庫を元にして、金庫とは思えない外見を持つ金庫を多数出展していた。冷蔵庫型金庫や消化器型金庫、ゴミ箱型金庫が特に目を引いた。

電子レンジの型をした金庫。電子レンジの機能はない。

電子レンジの型をした金庫。電子レンジの機能はない。

対して犯罪大国と言われてるアメリカのメーカーであるCentryは、過激な金庫を参考出品していた。「我々の開発した金庫は触れると電気ショックが迸る。誰にも盗まれないし、さわることすら出来ない」とパネルには説明が書いてある。詳細を聞くことができなかったが、説明を読む限り、電気が金庫全体に流れているらしい。スタンガン式金庫もとも言うべきか。

また、台湾の大手金庫メーカーであるSeetanは、カメラ付きの金庫を出していた。金庫にデジタルカメラを搭載し、金庫に触れることによって自動的にシャッターが切られる。撮影した写真は指定されているメールアドレス宛に送ることも出来る。世界で初めてネットワークに対応した金庫ともなる。

カメラ付き金庫。ネットワークにも対応している。

カメラ付き金庫。ネットワークにも対応している。

「持ち逃げなどの内部の盗難に対して、従来の金庫では対応出来なかった。暗証番号を知る人間や扉を開ける鍵を持つ人間ならば誰でも簡単に金庫を開けることが出来たからだ。しかし、この金庫によって扉の開閉の記録が取れるようになった。金庫から貴重品を持ち出して逃げようとしても、この金庫ならば迅速に対応することが可能だ」とSeetanの広報担当者は訴えている。

記事の関係から、出展された全ての金庫を紹介することが出来ないが、この他にも米AMSECからは複数のダミーダイアルキーがある金庫を発表したり、日エコーは外見にこだわった個人用の金庫などを発表していた。日エコーはキャラクタメーカーとの連携を予定し、金庫を広く普及させることが今後の目標らしい。ドラえもん型金庫やキティ型金庫の発売も近いということだ。

たった1日しか開催しない”Future of Safebox 2026 in Japan”は盛況のうちに幕を閉じた。一般家庭に金庫を見かけることは少ないが、家電として金庫を使うような未来が来るかもしれない。天災が多い今日、大事な財産を守る金庫の購入を検討しているということをよく耳にするが、1つの検討材料として役に立てば幸いである。

2005年01月21日公開
2010年08月01日 ”KINKOX 2005″から”KINKOX 2026″へ変更
2010年08月03日 記事内日付変更(01月21日->12月07日)

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