ユーザビリティを考量したインテリジェント電子ポットを発表。
02月05日、虎印マホービン株式会社はインテリジェント電子ポットを発表した。音声認識や指定量での給湯機能などの様々な機能を持つ電子ポットだという。

インテリジェント電子ポット。ボタンがないため外見はシンプル。
「電子ポットには改善の可能性があると我々は考えていた。技術進歩の停滞気味な電子ポットにおいて、水を温めて保温するだけの時代を終わらせたかった」と電子ポット開発事業部 市川蔵氏は語る。
電子ポットは一般家庭はもちろん、会社の事務所などでも多く見受けられる子家電の1つである。いつでも熱湯が用意出来るため、お茶やインスタントコーヒー、カップラーメンなどのために頻繁に利用されている。必ずしも必要ではないが、あれば便利な家電の1つだ。
「そもそも電気ポットは危険なものである。その利便性の素晴らしさの裏に、危険性はずっと潜んでいた。子供が誤って給湯ボタンを押してしまえば大惨事となるだろうし、大人であっても熱湯が降りかかればただでは済まない。まず始めに。電気ポットの危険性を全て塞ぐ義務が我々にはあった」(同氏)
現在発売されている電子ポットの全てには給湯ロック機能があるが、解除操作もボタンを押すだけの簡易なものであり、給湯後も一定期間は解除された状態となる。ボタンを押すだけで熱湯がでるという危険な家電は他にはないだろう。
今回発表されたインテリジェント電子ポットには今までのボタンやスイッチが一切存在しない。全て声で操作するようになっているという。電子ポットの初回使用時に音声を登録し、登録された声紋からでしか操作が出来ない。よほどのことがない限り誤って給湯することはないといえる。
「大きな特徴は音声認識による操作だが、それ以上に様々なユーザビリティを考量している。例えば、赤外線センサーを使った給湯対象チェック機能、指定量のみの給湯を行う制限給湯機能、また給湯対象の大きさを判断し、自動的に給湯を停止させる安全機能もある」と同氏は伝える。
「構造的に考えても画期的な機能として、適温給湯機能がある。通常、電気ポットは入れた水は全て熱湯となるが、水のままで残す部分がある。給湯時に温度指定をすることで熱湯と水を混ぜ、指定された温度で出すことが可能だという。今までは温度指定保温の機能しかなかったが、適温給湯機能によっていつでも必要とする水温を得ることが可能だ」(同氏)
インテリジェント電子ポットにカップを置き、カフェドリップ給湯と声をかければ200ccの熱湯がゆっくりとカップ内に注がれる。お茶給湯と命令すれば約75℃のお湯が湯飲み茶碗に注がれる仕組みだ。単純に熱湯が必要な場合には「90℃の180ccを給湯」と伝えるだけでいい。
「今までの電子ポットは節電に主な開発能力が注がれてきた。確かに電子ポットよりもガスで沸騰させたほうが電気代は遥かに安く上がるが、あえて電子ポットを使う理由を改めて考えた。その結果が今回発表したインテリジェント電子ポットである」(同氏)
インテリジェント電子ポットの詳細は同社ウェブサイト上には記載されていない。発売時期も未定だという。また、販売価格も未定だというがこれだけの機能をみれば、かなりの高額になることが予想される。
「インテリジェント電子ポットは電子ポット業界へのカンフル剤になる」と同氏は予測するが、電子ポットに求める機能とは何だろう。安全性か高性能か、単純にお湯を温める機能だけか。この答えはインテリジェント電子ポットの発売後に分かる。水だけではなく、話題も沸騰することを願って止まない。
2005年09月16日 公開
2010年08月03日 記事内日付変更(09月16日->02月05日)