本当に幸せになれるのか、仏教系新興宗教が幸福の壺を発表。
仏教系の新興宗教である、世界の端で真理を叫ぶ会は、01月09日、幸福の壺(しあわせのつぼ)を発表した。同協会が販売する幸福な壺を所得することによって、幸せな生活を営むことが可能だという。

幸福の壺
「始めに断っておくが、心霊商法でよく使われていたような壺と同一視しないで欲しい。我々が販売する幸福の壺は、様々な聖なる力を持ち、確実に所有者に対して幸せを与えることが出来る壺なのである」(世界の端で真理を叫ぶ会教祖 霧島恭一氏)
世界の端で真理を叫ぶ会は2000年に立教、2005年に宗教法人に認可されている。世界の端を聖地とし、仮の場所として東京の端である奥多摩に活動の拠点を持つ。主にインターネットやメールを利用した布教活動を行っており、現時点で10人ほどの信者が存在する。生まれたばかりの宗教団体が発売した幸福な壺にはどのような技術が使われているのであろうか。教祖である霧島恭一氏は答える。
「幸福の壺からは、地球内外のエネルギーから発生した1/1000mm以下の小さな粒子が漂っている。壺から生まれるこの粒子は、人の悪なる部分を中和し、排出させ、自然界に存在する聖なる力の吸収率を高めることが可能だ。さらには、人が本来持っている自然治癒力を高める働きも確認されている」(教祖)
これはマイナスイオンのことだろう。マイナスの電気を帯び、人体に取り入れられることによってイオン交換が行われる。酸化した人体をアルカリ性に中和し、細胞内に酸素と栄養素を吸収しやすくなる働きがあると言われている。幸福の壺とはマイナスイオン発生器なのだろうか。
「また、幸福の壺には仏眼が備わっている。仏眼とは、悟りを開いた者に備わる、すべての実相を見通す眼のことである。幸福の壺を持つ者は、苦しい修行を行うことなく、一切を見通す智の力を得ることが出来るであろう」(教祖)
どうやら監視カメラの機能も備えているらしい。幸福の壺には明らかにレンズらしき物体が組み込まれているが分かる。また、LANの接続コネクターと思われるインターフェスを持っていることから、ネットワークに接続することによって、幸福の壺周辺を外部から監視することが可能なのかもしれない。レンズ部分を直視すると赤外線LEDらしきものも見えることから、赤外線カメラの可能性もある。
「壺に対して祈りを捧げることにより、壺周辺に悪を近づけさせない機能も持っている。仏の道に外れた俗人を近づけさせないことによって、貴重な修行の時間を無駄にさせずに済むことが出来る」(教祖)
壺の監視カメラによって人の動きを読み取り、特定の動きによって超低周波音を発生させるのかもしれない。人が聞き取れないほど低い音を超低周波音と呼んでいるが、無意識に聞き続けることで精神的な障害や頭痛を引き起こすと言われている。教祖の伝える通り、そんな家には近寄りたくなくなる。
「以上のように様々な実用的な機能が備わっていることをご理解頂けたであろうか。実際に幸福の壺に触れてみると心地よい振動が体を伝わり、心身共に安心感を得るだろう。また、触れた肌が見違えるように綺麗になったという事実もある」(教祖)
壺自体にタッチセンサのようなものが組み込まれており、触れることによって超音波を出していると思われる。超音波はマイナスイオンを発生させることが出来るため、マイナスイオン発生器という予想と辻褄があう。
「この素晴らしい幸福の壺は、世界の端で真理を叫ぶ会に入信することによって今なら210万円のお布施で手に入れることが出来る。また、信者でない場合には、315万円でお譲りすることも検討している。精密機械である上、幸福の壺は設置する場所が非常に重要であるために、図解入りの詳細な説明書も付ける。今なら世界の端で真理を叫ぶ会への入信手数料が無料になる入信の手引きも差し上げる予定だ」(教祖)

付属する入信の手引き
マイナスイオン発生装置、監視カメラ、赤外線(防犯)カメラ、超低周波音装置、超音波美容器具の機能が315万円で手に入る。さらに入信手数料が今なら無料のクーポン券がついた入信の手引きも付いてくるという。世の中どうかしていると思うことは、仏の道に外れた考えなのだろうか。
なお、壺というが、内部は閉じられており、何も入れることが出来ない。また、電源とインターネット接続サービスを利用している必要があるという。この動作条件に関して、世界の端で真理を叫ぶ会教祖 霧島恭一氏は説明する。
「幸福の壺は偉大なる力によって動いており、深い信仰の元で初めて幸せを手にするであろう。悪に向かおうとする欲望を退け、善を指向する欲望に従って、本心の喜ぶ幸福を得ようと必死の努力を傾け、堕落、自己破滅に瀕しているということを自覚し・・・(以下略)
2005年04月08日 公開
2010年08月03日 記事内日付変更(04月08日->01月09日)