ラーメンを食べても曇らないメガネレンズを発表。
メガネレンズメーカーであるN!kon-Ess!lorは12月01日、曇らないレンズを発表した。車にあるリアウィンドガラスと同様の仕組みで、レンズの中に熱線を通すことによってレンズの曇りを防止するという。

曇らないメガネレンズ
「個人的な話になるが、私はラーメンが大好きである。ほぼ毎日ラーメンを食しているのだが、つらいことにラーメンから出る湯気のためにメガネが曇る。テレビを見ながらラーメンを食べるときは、曇ったレンズを拭きつつテレビを見るという非常に面倒な行為を迫られていた」(二コソ・エシ□ール眼鏡レンズ開発部門 小池勉蔵氏)
ラーメンを食べながらテレビを見るという行為は、現在では非常によく見られる光景だろう。「ラーメンとテレビを同時に楽しむためにはどうすればよいか。社内でカップラーメンを食べている時にふと周りの社員に訪ねたことが開発へのきっかけとなった」と同氏は語る。
確かにラーメンやスープなどの湯気が立つ食べ物はメガネにとって天敵だ。特にテレビを見ながらのラーメンは、曇ったレンズのために画面を見ることが出来ない。貴重な場面を湯気のために見逃した経験はある。
「曇らないレンズを目標として様々なアイディアが出た。最終的には熱線入りレンズとワイパー付きレンズが残った。ワイパー付きメガネもニコソの協力があれば高性能なワイパーを作ることもできる。しかし、度重なる会議によって熱線入りレンズの開発を目指すことなった」(同氏)

ワイパー付きメガネ(試作機)の動作
メガネが曇る理由はレンズ表面の温度が急激に上がることが原因だ。空気中の水分が結露して細かい水滴が生じ、この水滴がレンズに付着することによって曇りが生まれる。結果的にレンズの透明度が低下してテレビを見ることが出来なくなる。
今回発表された曇らないレンズ内には熱を通す電線が入っている。フレームに内臓されているバッテリ(ボタン電池タイプ)によって電線を暖めることでレンズ自体が熱くなる。レンズが熱をもっていれば水分の結露も発生しない。
「世の中には特殊なコーティングによって曇らないレンズが存在する。このコーティングは正確には曇りにくいレンズであって決して曇らないわけではない。我々が欲したのは絶対に曇らないレンズだった」(同氏)
レンズ部分に熱を持つことからフレームには遮熱性が必要となる。また、レンズ内の線を熱くするために電池も必要となる。そのため、指定されたデザインのフレームしか対応できないことが難点だ。
「熱線入りレンズに対応したメガネフレームのデザインは今後増やしていく予定だ。しかし、実を言うと我々はデザインを重要視はしていない。目的はラーメンを食べながらテレビを見ることができるということだった。これからは快適なラーメン生活を送ることが出来る」(同氏)
追加しておくが、もちろんラーメンだけのものではない。料理中の湯気による曇りやマスク着用時における鼻息による曇りなどの防止にも有効である。コンタクトレンズをつければ問題は一発で解決するが、ここでは黙っておこうと思う。
2005年01月07日 公開
2010年08月03日 記事内日付変更(01月07日->12月01日)