絶対に事故を起こさない小型ヘリを搭載した車を発表。
01月21日、株式会社トヨ夕自動車は安全を100%保証する新型車”セフティ”を、2005年に開催される東京モターショーに出品することを明らかにした。数多くのセンサーや小型ヘリコプターを搭載し、絶対に事故を起こすことがない安全な車だという。

事故を起こさないセフティ。背面にセフティヘリのプロペラが見える。
「今回発表するセフティには安全を守るための様々な機能が搭載されている。コンパクト車で最も売れているヴイッツを原型として、4096個ものセンサーが安全のために追加された。また、数種類にも及ぶ、新しい金属素材やプラスチックの開発も行った。今後、セフティが原因という事故は存在しないはずだ」(テクニカルセンター製品開発部 豊田喜二郎氏)
安全といっても、運転者を含む乗員や歩行者などの対人的な安全や車そのものにおける安全性など様々な種類があるが、今回発表されたセフティは全ての安全を確立し、あらゆる事故を発生させる可能性がまったくないと同氏は断言する。
「今まで、車の安全性に関する問題はユーザに軽視されていたという現実がある。車を購入しようとした時、何を基準に選ぶかということを考えてみて欲しい。メーカーやデザイン、性能と機能や収納性、価格など色々あると思うが、果たしてその中に安全は含まれるだろうか」(同氏)
改めて問われると、確かに安全性を基準にして車を購入することはまずない。なぜならば、車の安全性は”あって当たり前”のことであって、逆に言えば危険な車は市場に存在しないからだ。大衆車であろうが高級車であろうが、安全性はほぼ同一であり、あえて安全性を重視する必要はまったくないということが実情だろう。実際に、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構が実施している衝突安全性能試験の結果においても、各社各モデルともほぼ同一の成績を残していることがわかる。
「そう、しかし今となっては過去における安全を基準としている。セフティはそもそも事故を起こさない。セフティの新しく生まれ変わった安全性をユーザが知れば、今までの車が如何に危険で無防備であったかを実感することが出来るだろう」と同氏はセフティの魅力を説明する。
セフティの車体は柔軟性の高い特殊金属で覆われている。金属といえば固いイメージがあるが、ゼリーやスライムのような柔らかさを持っているという。また、従来のガラスに当たる部分は柔軟性が非常に高い特殊プラスチックを採用しており、全体に均一にかかる風のような圧力には固い状態、重圧が一カ所に集中する場合にはゴム化し、衝撃を吸収する特徴を持っている。
しかし、柔らかいゴムボールさえも数km/hもあれば弾丸のような堅さとなる。ゼリーのように柔らかい金属と言えども100km/hを超すスピードでぶつかれば、例え歩行者とも一溜まりもないのではないだろうか。この問題を同氏は説明する。
「我々は車体が歩行者と接触した時点で事故だと認識しているが、セフティはそもそも事故を起こさない。小型のラジコンヘリコプター”セフティヘリ”を搭載しており、走行中は上空からの監視を行っている。また、赤外線温度センサーなどの6種類もの人体感知センサーが事前に周りを認識し、衝突する危険性があれば前もってスピードを落とし、運転者に警告を行う。出会い頭の事故もこれで防げるだろう」(同氏)

飛行中のセフティヘリ。セフティの走行中は上空から安全を確認する。
4096個ものセンサーがセフティにはあると冒頭で述べたが、うちの半数は対歩行者用のセンサーとなる。残りのセンサーについては主に運転者用だと同氏は教えてくれた。アルコール検知センサー、人の瞬きを監視するセンサー、体温センサー、ハンドル部分にある心拍センサーなどだ。
「運転者に異常があると判断された時、セフティは自動的に安全な場所で停止する機能を持っている。例えばアルコール検知センサーによって運転者が飲酒したと判断された場合や、シートベルトを着用していない場合には、エンジンを始動することすら不可能となる」(同氏)
その他にも、シャーシ部分に内蔵されている赤外線カメラによって、道路上の白線や中央線を認識し、オレンジ色の中央線を踏むことはなく自動修正される。数回に渡り中央線や白線を跨ぐような運転方法を行うと危険と判断して安全な場所で停止する。停止線も認識するため、事前に速度を落とし一時停止を行うという機能も持っている。
「これだけ安全に徹した車は今までに存在しない。セフティで事故を起こす唯一の可能性としては完全に停止したセフティに意図して突っ込むことだろうが、これはセフティの責任ではない。つまり、セフティが原因となる事故は絶対に起こさないのだ」と同氏は息巻く。
車という危険な乗り物に対して我々は確かに無防備であった。交通事故による死者は年々減り続けているが、セフティによってこの減少はさらに進められることであろう。「ちなみに、セフティは最大で100km/hまでしか出ないよう設計されている。これも全て安全のためだ」と同氏はいう。。例え100km/hしかでないとしても命には変えられない。実際に市場に出る時期はまだ先だと思われるが、車の購入を考えている方は検討してみる価値があるだろう。
2005年08月12日 公開
2010年08月03日 記事内日付変更(08月12日->01月21日)