バーコードリーダ付きショッピングカートの導入を決定。
株式会社 イトーヨーカ-ドは02月17日、バーコードリーダ付きのショッピングカートを全店舗に順次導入すると決定した。RFIDやQRコードでもない、1次元バーコード(JAN コード)を採用することで、現在の主流であるシステムを活かしつつ消費者への利便性を高めるという。

バーコードリーダ付きショッピングカート
「なぜ今この時期に1次元バーコードなのか。理由は明確である。コストがかかりすぎ、また、複数店舗への同時導入が非常に困難な状況だからだ。RFIDやQRコードを採用したレジ管理システムも検討しているのだが、消費者の要求に一刻も早く答えるためには、今あるシステムを活用する方法を考える必要があったのだ」(レジ管理バーコード事業部 伊頭光男氏)
RFID技術を駆使したショッピングシステムが最近の流行であり、いくつかの企業はRFIDによって商品管理や在庫管理を行っている。また、ショッピングカートにRFIDリーダーをとりつけ、商品をカゴに入れると同時に価格の表示や決済を行うシステムが存在する。しかし旧世代技術である1次元バーコードを採用した例はない。
「スーパーに必須ともいえる商品価格の管理システムは非常に巨大であり、変更のためには膨大な時間とコストが発生する。対して消費者が必要としている機能は単純に商品の価格確認や合計金額だ。これだけの機能なら従来の1次元バーコードでも対応が可能である」(同氏)

あらゆる商品にある1次元バーコード(JANコード)
使い方はいたって簡単で、金額を知りたい商品のバーコードをショッピングカートに読み込ませるだけだ。商品名と金額、そして合計金額が表示される。特にこの機能が必要なければ、従来と変わらないショッピングカートである。
「必ずしも最新の技術が常に最適ではないという1つの結果だと思う。旧世代の技術であっても、使い方によっては次世代を上回る利点があるだろう。大切なのは使い方なのだ」と同氏は力説する。
バーコードリーダの価格と導入するショッピングカートの数を考えると、これだけでも恐らく数億円の費用となるが「消費者の利便性のほうが、より重要である」と同氏は語る。実際の導入時期はまだ未定だというが、今後の動向に注目したい。
2005年10月22日 公開
2010年08月03日 記事内日付変更(10月22日->02月17日)